作業療法士が提案する福祉用具

3.代表的な排便促進手段

一般的に排便促進のアプローチとして食餌(しょくじ)療法・運動療法・マッサージなどが上げられますが身体機能に問題がある人にとって、病院では出来ても生活の中での継続は困難です。
また、病院などでも体に不自由があると下剤やオムツで対応することが多くそのまま自宅に復帰しても自らの判断で改善することは困難です。
高齢者や障害者に対する排便管理の理想として、より体に優しい順に試行すること最終的には排便はトイレで行うことです。 そのために、身体機能的にできない部分は自助具や福祉用具を利用し環境を整えることが重要な要因で、介護者を含めた当事者の評価や適応への援助は重要な要素と考えます。

■”トイレ”での排便

トイレ
”排泄を行うならばトイレで”もしくは”排泄は座って”というのは、どんな人でも納得できる話です。
しかし、このことができない現実が色々な場面で見受けられます。脊髄損傷の固定期間中や貧血が重度な場合、一人で座位がとれないのに介護力が極端に低く起こせない場合、長い介護生活で仕方なくおむつを使用している場合など、現実的には多くの場面が想定できます。
私たちの以前の調査より、介護老人福祉施設(前特別養護老人ホーム)における高齢者で移動能力 や座位バランスの不良による介護量の問題や便座に座っている時の痛みや疲労感などから、寝たままの姿勢で排便をしたりおむつを用いることが多いということがわかりました。
活動には常に目的が必要ですが、特に知的側面に問題があるようなケースでは、やはり”快楽”が伴わないと行動に結びにくいと思われます。
”より快適に””排便しやすく””爽快になれる” を目的に本人も楽になり介護もしやすい便座の必要性を強く感じ、”排便姿勢””移動や排便処理の介護のしやすさ””手に入れやすさ” を考慮に入れ前受け機能の付いた便座を開発しました。
”排泄を行うならばトイレで” もしくは ”排泄は座って” というのは、どんな人でも納得できる話です。
しかし、このことができない現実が色々な場面で見受けられます。脊髄損傷の固定期間中や貧血が重度な場合、一人で座位がとれないのに介護力が極端に低く起こせない場合、長い介護生活で仕方なくおむつを使用している場合など、現実的には多くの場面が想定できます。
私たちの以前の調査より、介護老人福祉施設(前特別養護老人ホーム)における高齢者で移動能力 や座位バランスの不良による介護量の問題や便座に座っている時の痛みや疲労感などから、寝たままの姿勢で排便をしたりおむつを用いることが多いということがわかりました。
活動には常に目的が必要ですが、特に知的側面に問題があるようなケースでは、やはり”快楽”が伴わないと行動に結びにくいと思われます。
”より快適に””排便しやすく””爽快になれる”を目的に本人も楽になり介護もしやすい便座の必要性を強く感じ、”排便姿勢””移動や排便処理の介護のしやすさ””手に入れやすさ” を考慮に入れ前受け機能の付いた便座を開発しました。

■望ましい排便姿勢

従来のポータブルトイレは座位がうまくとれない人に対しては背もたれで受ければ良いという発想で作られています。しかし、自然な排便姿勢を観察すると、体を前屈し重心を前方(下肢)の方に掛けている方がほとんどだと思います。無意識のうちに行っているこの動作は、実は非常に合理的で以下の効果が得られます。
①”いきみ” やすくなる
体を前に倒した方が重心が下肢側にかかるため腹圧が掛けやすく ”いきみ” やすくなります。
②肛門周囲が突出する
殿部の筋肉や皮膚が前屈することで引っ張られ肛門周囲が突出し排便が行いやすくなります。
  • 寝ている状態(女性)
  • トイレで前屈している状態(男性)
③直腸-肛門角が鈍角になる

直腸と肛門のなす角度(直腸-肛門角)は寝ている時や立っている時などの体を伸ばしている姿勢では鋭角(図1) になり、直腸に便が溜まっても容易に出ない仕組になっています。

逆にトイレにしゃがんだ姿勢では体を前に折り曲げるため、この角度が鈍角(図2)になり便が出やすくなります。このように解剖学的な見地からみても寝たままで排便をすることは非常に難しいことがわかります。

また、従来のポータブルトイレのように背もたれにもたれかかった姿勢よりも前屈した姿勢のほうが、直腸-肛門角をより鈍角にできるため排便が容易になります。
  • 図1:寝ている状態(女性)
  • 図2:トイレで前屈している状態(男性)

姿勢による重心位置の違い

<姿勢による重心位置の違い>

④床ずれ防止

背もたれ座位では、体の重心位置が座骨・仙骨・尾骨付近にあり、痛みや床ずれの原因になりやすくなります。しかし、前受けにもたれかかることで体重が分散し、重心位置が前方にずれるため、床ずれの起きにくい大腿部付近で体重を支えるようになり、傷みを軽減させることが出来ます。(右のイラスト図
このように「排便の際、からだを前屈させる」という行動には意味があり、無意識レベルで排便行為を促しています。
以上の点を考慮すると前屈姿勢が排便をしやすい姿勢であると考えられます。

■前受けトイレの開発

狭く段差が多いという日本家屋の状況を考えると、必ずしもトイレに行かなければならないとは言い難い状況にあります。また、おむつで寝たきりでいる人に性急にトイレと考えるのは無理があるため、”乗り移りがしやすい”、”前方で支持される”、”介助が容易である”を考慮にいれポータブルトイレタイプにて試作を繰り返し作製しました。
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  • 排便と入浴の補助用具 CAK-600/アルミ製・規格品 紹介動画
  • ・排便と入浴の補助用具
     フロントレストキャリー/CAK-600
     規格(アルミタイプ)に関しての商品
     紹介、および開発経緯などが収録
     されています。
    ・動画を再生するのは、
     Windows Media Playerが必要です。
     動画容量 WMV:18.3KB
試作を重ねていった結果、上記最新機が開発されました。
次のページでは、この最新機「フロントレストキャリー」の特長を掲載します。

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