ユア・サポーター活動の様子

全国の施設・学校・病院などに移動展示車(クローバー号)でご訪問しています。

研修会

埼玉県さいたま市

2011/7/15

目白大学岩槻キャンパス

【ユア・サポーターの取組み】
今回は、埼玉県さいたま市の「目白大学/岩槻キャンパス」にお邪魔し、イレクター福祉用具研修会を開催しました。目白大学・保健医療学部は2005年に増設され今年で7年目となります。広大な敷地を持つ岩槻キャンパスは、キャンパス全体が緑の中に囲まれ、省エネ対策としてソーラーシステムによる太陽光発電を採用、太陽熱による温水シャワーを利用するなど、環境問題にも積極的に取り組んでいる大学です。
「ユア・サポーター」活動は、学校や施設等へお邪魔し未来のセラピストや既にセラピストとして活躍されている方々が日々の業務や活動での悩み事や疑問に対して少しでもお役に立てればと思い「個別研修」という形でサポートさせていただいています。

【日 程】
日 時 2011年 7月15日(金)
13:00~16:10 (2コマ)
場 所 目白大学 保健医療学部
受講生 作業療法学科  50名

パイプの寸法を確認後、接着

プッシュアップ台完成

【目 的】
”福祉用具=規格品” と思っている方が多いと思いまが、身体機能や動作方法など利用される方の住環境に於いても様々となっています。
利用される方の生活場面に合った福祉用具の提案として、イレクター素材を使用して福祉用具を組立てる事で住環境整備の実践に、ご活用頂ければと考えています。

【内容】
1.オーダーで作れる福祉用具と福祉用具の活用方法について
2.移動展示車による福祉用具の紹介”見て、触って、試して”
3.イレクターに関しての基礎講座
4.イレクターでの組立て実習

イレクターについての基礎講習

ジョイントの接着位置をメジャーで確認

住宅改修事例パネル(座学後の合間にて)

プッシュアップ台、完成!

【准教授 玉垣 努氏インタビュー】
~先生からの生徒へのメッセージ~
学校というのは勉強が一番大事なことですが、少なくても作業療法士を目指すのであれば勉強だけではなく、実践力と創造力はOTにとって大事なことなので、これを忘れないこと。
理屈ばっかり言っているOTは嫌いだな!
患者さんを良くしてなんぼの世界なんで...
良くなる支援をし続けられるOTになって欲しい。

経歴
・国立善通寺附属リハビリテーション学院
・神奈川リハビリテーション病院 作業療法科放送大学大学院修了
・神奈川県リハビリテーション 支援センター
・目白大学 保健医療学部 作業療法学科 准教授
・神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部
・リハビリテーション学科 作業療法学専攻 教授
(現在の勤務先)

Q1.目白大学・作業療法学科のアピールポイントは?
A1.自然環境に恵まれていているため、勉強に適している。
親としては遊びの多い繁華街の近くに大学が有るよりは安心できる、かな?
作業療法学科に関して云えば臨床現場で10年20年バリバリ活躍していた先生がどんどん大学に入っている為、実践に即した授業内容となっています。

Q2.少子化に伴い学生数に影響しているのでは?
A2.全体として学齢期の生徒数が少なくなっているが就職状況が約100%の採用なので、まだ強い。(免許を取れば..)その代わり鍛えないと通用しない。 自分もいずれどうなるか分からないし、将来身を託すかもしれないので、そう云う意味でもしっかりしたセラピストになってもらいたい。

Q3.作業療法士の仕事とは簡単に言うと、どの様な仕事でしょうか?
A3.作業療法の仕事とは、どんな戦略を用いても良くすること。 患者さんに価値観を変えてもらい、「今よりも良くするぞ」、「今より楽に生活ができる」、「今よりもできることが増える」と云う様に、「良くなるぞ」という気にさせることが一番難しいところです。 例えば、単純な筋トレでは飽きるでしょ、作業療法というのはアクティビティ/活動を媒介とするという概念があります。知らないうちに、楽しみながらやっていることが実際は体を良くするための基になっている。それが作業療法士の醍醐味といえます。

Q4.「作業療法士」を目指すキッカケは何だったのでしょうか?
A4.単純です。 兄貴がPTの学校に行ってたんです。

Q5.それで、なぜOT?
A5.PTに落ちて、OTになったということで、結局どちらでも良かったということです。当時は、OTのことはわかりませんでした。リハビリ=PTのイメージが強い時代でした。

Q6.作業療法士の仕事の魅力とは、ズバリ何でしょか?
A6.型にはまらない点だと思います。医者、看護師、PTには、枠が有り「こうやらなきゃ」というところがありますが、OTはある程度自由なので色々な戦略や、自分の個性を生かすことが出来ます。例えば、リハビリでゲームセラピーとしてWii(ウィー)を使ったり、動物介在療法(アニマルセラピー)、音楽療法、園芸療法、というのがあります。

Q7.先生は、臨床時代(26年間)数多くの製品開発に携わって来られました。開発という事からするとより患者さんに近い方が有利だと思いますが...
A7.近い方がいいですね。 こんなの欲しいなーと思っても無いじゃない、だから作るんですよ。最近は作るモチベーションが今一つ無いんです。やはり困っている患者さんが目の前にいるのが一番の原動力となり発想が湧く、最近は患者さんを診ていないので、発想が出てこないですね。自分らのやっていることはマキシマムニーズでは無くミニマムニーズを如何に拾上げていくか、という事なので...ミニマムニーズだと大量生産出来ないからコストアップにつながる。そこをどうするかがアイディアの見せ所、市販のものを流用するとか、”100均”に行くとか、そういう中でイレクターは、自分の中では使いやすい商品といえます。自分のアイディアがある程度実現できるから...

Q8.将来的には大学の教育現場へとお考えだった?
A8.そう云う考えはまったく無かったです。

Q9.大学のホームページのプロフィールには、神奈川リハビリテーション病院時代、放送大学大学院修了と書かれていましたので...
A9.将来に向けて選択肢を増やしていこうとは考えていましたが、そんな気はまったくありませんでした。たまたま元目白大学に居られた教授の方に講義を頼まれ、その際に目白に来ませんか、と言われたのがキッカケでしょうか。当時、臨床と教育現場間の乖離を感じていまして、自分が大学に入ってどんな力に成れるかは分かりませんが、その差を少しでも埋められるのではないか。私は、26年間病院でいろいろな経験をし、様々な分野で色々なアプローチを手掛けてきました。今まで教育と臨床のベクトルが違うと感じていた。(自分の感覚的には)できれば同じベクトルで足りない人と熟達した人が如何に同じラインに近づけることができるかがテーマと考えています。
例えば、早期から情報や経験を増やしていったら、一体どんなOTに成るかな?
それが楽しみです。今は、種をまいているところです。

Q10.先生は、その様にして優秀な学生を神奈リハに送り込む計画?
A10.実際に神奈リハでは臨床実習を行っています。三年目になりますが後輩たちから、”目白の学生は頑張ってますよ”と言ってくれます。

Q11.先生が目白大学に居られる効果が出ている、と言うことですね。
A11.そうであって欲しいです。
学生も患者さんと同じように支援するという事では一緒です。患者さんの場合、「大上段に構えて治療するぞ」では無く、自立を支援するということなのでそれと同じように生徒に対しても「教えるぞ」ではなく学ぶチャンスを与えて、教育の場を提供して支援するという考えで接しています。 リハの訓練と一緒です。

Q12.この授業に対しての「思い」、「ねらい」はどこにあるのでしょうか?
A12.イレクターは、パイプとジョイントに過ぎないが、患者さんからのニーズに応える過程でクリエーティブ(創造)さが加わり用具を作っていく。これがOTの醍醐味といえば醍醐味です。そのための基礎知識は入れとかないと...選択肢の無い状況で患者さんのニーズを聞いても、かなり狭い範囲での選択となってしまう。イレクターを知らない場合には既製品という戦略をとります。戦略としてはある意味大事で、既製品の方が安いからです。既製品が無い場合の選択肢は、「あきらめる」、「あきらめさせる」と云う事になりますが、そうなる前にイレクターで創ってみる、作ってもらう、という選択肢が増えればいいと思います。今回の授業の中で「オーダー注文ができます」と講師の方が話されていましたので非常にいいなと思いました。カタログには既製品が載っていますが、既製品意外の製品は作れないと思い込まれるのが困るんです。カタログ見ただけでは中々そのことが伝わらない。「オーダーで色々作れる」という事を知っていることが大事で、このことが臨床現場での武器となると考えています。

Q13.イレクターの存在を知ったのはいつ頃?
また、イレクターに対しての興味、当時と現在で変化あり?
A13.神奈川リハビリテーション病院に入って5~6年目の頃です。 イレクターに対しては当時とあまり変わっていません。私が一番求めているのは機能です。機能を追求することで機能美を求めていこうと考えています。そう云う面で、ヤザキはあまり変わっていない所がいいですね。”100均”に行って道具を作ることがよくありますが以前買ったものが無くなることがあります。これは結構問題で、ものづくりの段階でパーツが無くなってしまうのはダメージが大きい。イレクターは、パーツが増え色も増え多様になってきていますが基本的な部分は変わらない、ここが大事なところだと思います。

Q14.この授業を通して生徒に感じ取って欲しいことは何?
A14.自信ですね。 あー「自分でも簡単に作れるんだ」という思い。
このクラスは女性が多く、また、女性は作ることは苦手なんです。
(50人中、47名が女性)金属で組立てるというと、通常なら溶接とかネジ止めなどを思い浮かべる。しかし、イレクターならパイプを切ってジョイントをはめて接着すれば、これだけ頑丈なものが自分でも作れるんだ、という経験と自信をもって貰うことが今回の授業の一番の目的です。

Q15.最後に学生さんに対して一言
A15.学校というのは勉強が一番大事なことですが、少なくても作業療法士になるのであれば勉強だけではだめで実践力と創造力はOTにとって大事なことで、これを忘れないこと。理屈ばっかり言っているOTは嫌いだな! やはり、患者さんを良くしてなんぼの世界ですので...患者さんが良くなる支援をし続けられるOTになって欲しい。そう云う意味では頭デッカチにはなって欲しくない。

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