■日本と北欧諸国の概観

北欧諸国（デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン）はヨーロッパ北部の国土は小さいが裕福な国々です。日本と比較しても人口は少なく、面積はフィンランド、ノルウェー、スウェーデンは日本とほぼ同じです。
１９９０年に劇的なリセッション（一時的な景気の後退）に見まわれたフィンランドを除けば、いずれも”一人当たりのＧＤＰ”（国内総生産）は高水準にあります。
日本は、デンマーク（５位）、アイスランド（8位）、スウェーデン（9位）とほぼ同じ位置の6位となっています。また北欧諸国は、平均寿命でもまた日本同様、世界で最も高い部類に属しています。
世界のさまざまな国々の生活レベルを比較するために、国連開発計画（ＵＮＤＰ）が人間開発指数（HDI：human development index）を開発しました。これは生活レベルの違いをまとめたもので、国民所得、平均余命、教育水準を測定基準としています。この指数を用いてＵＮＤＰは点数をつけ、それによって国々をランク付けしています。この指数でも日本と北欧諸国は上位に位置し、日本は9位、北欧諸国はノルウェー1位、スウェーデン２位、その他の国々も１４位までに位置します。
ＵＮＤＰは、いくつかの国々について女性が積極的に経済界や政治活動に参加し、意思決定に参加できるかどうかを測るジェンダー・エンパワーメント指数（GEM：Gender EmpowermentMeasure)も作成しています。具体的には女性の所得、専門職・技術職に占める女性割合、上級行政職・管理職に占める女性割合、国会議員に占める女性割合を用いて算出していますが、それによると北欧諸国は上位１位から５位を独占し、女性の地位が他の国々よりも高いことを表しています。

日本と北欧諸国の概観と社会福祉の状況

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