4.座位入浴とは?

「ひうな荘」では、利用者さんの状況に応じ入浴方法を変えています。
「ひうな荘」における入浴方法
1.立位入浴 … 立った状態からまたいで入る入浴方法。
2.座位入浴 … 入浴台等を利用して座った状態から入る入浴方法。その中でも2種類の方法があります。 座位入浴 ① : ”健側”から入り”患側”から出る方法 座位入浴 ② : ”健側”から入り”健側”から出る方法
以上の方法を図や動画を使い具体的に説明します。

■立位入浴 : 一般の対象者が行う

①手すりにつかまる ①手すりにつかまる → ②片足を持ち上げて中に入る ②片足を持ち上げて中に入る → ③手をずらして手すりを持ちかえる ③手をずらして手すりを持ちかえる → ④残った足を中に入れる ④残った足を中に入れる
【 ポイント1】
立位入浴においては、手すりが必要不可欠な福祉用具である事がお分かりいただけると思います。手すりの取付け位置は個々に違うため、あらかじめ身体特性を充分に観察した後、その人にあった取付け位置を決めて工事をしなくては利用効果や身体能力を引出すことが出来ません。

■座位入浴① : 健側から入り患側から出る従来よく紹介される方法

※ 以下に描かれているお年寄りの左半身が患側(体が動きにくい側)、右半身が健側(体が動きやすい側)です。
①健側の足を中に入れる ①健側の足を中に入れる ①健側の足を中に入れる → ②おしりを浴槽側にずらす ②おしりを浴槽側にずらす ②おしりを浴槽側にずらす → ③患側の足を抱えて入れる ③患側の足を抱えて入れる ③患側の足を抱えて入れる →
④手すりにつかまる ④手すりにつかまる ④手すりにつかまる → ⑤ゆっくり腰をおろす ⑤ゆっくり腰をおろす ⑤ゆっくり腰をおろす → ⑥手すりを持って脚を突っ張り座位保持する ⑥手すりを持って脚を突っ張り座位保持する ⑥手すりを持って脚を突っ張り座位保持する →
⑦健側の足を引き手すりを持つ ⑦健側の足を引き手すりを持つ ⑦健側の足を引き手すりを持つ → ⑧腰を上げる ⑧腰を上げる ⑧腰を上げる → ⑨入浴台に腰掛ける ⑨入浴台に腰掛ける ⑨入浴台に腰掛ける →
⑩患側の足を持ち上げる ⑩患側の足を持ち上げる ⑩患側の足を持ち上げる → ⑪健側の足を外に出す ⑪健側の足を外に出す ⑪健側の足を外に出す → ⑫お尻を台にずらす ⑫お尻を台にずらす ⑫お尻を台にずらす
【 ポイント2】
・浴槽と同じ高さのシャワーいすか入浴台を置く。
・必要に応じ壁や縁に手すりをつける。
・入る時は健側から入る。
◆ 『座位入浴①』のやり方は動画(wmvファイル)でもご覧になれます ◆

■座位入浴② : 健側から入り健側から出る「ひうな荘バージョン」

「ひうな荘」では、家庭浴を始めたときに”健側”から入り”患側”から出る『座位入浴①』を行いましたが、出るときに”患側”から入浴台に腰掛けるためバランスを崩してしまうことが多く本人にも介助者にも負担がかかりました。
そこで森山さんは、浴槽に腰をかけるときに体の向きをぐるりと回転させることで”健側”から入り”健側”からでることができる『座位入浴②』の方法を考案しました。実際に『座位入浴②』を試してみたところ好評であったため、「ひうな荘」では主流となっています。
①健側の手で手すりをもつ ①健側の手で手すりをもつ ①健側の手で手すりをもつ ②健側の足を浴槽に入れる ②健側の足を浴槽に入れる ②健側の足を浴槽に入れる ③患側の足を抱えて入れる ③患側の足を抱えて入れる ③患側の足を抱えて入れる
④体を浴槽側に移動し健側で手すりを持つ ④体を浴槽側に移動し健側で手すりを持つ ④体を浴槽側に移動し健側で手すりを持つ → ⑤健側の足を軸にぐるりと体の向きを変え浴槽に腰をおろす ⑤健側の足を軸にぐるりと体の向きを変え浴槽に腰をおろす ⑤健側の足を軸にぐるりと体の向きを変え浴槽に腰をおろす → ⑥浴槽に腰をおろした状態 ⑥浴槽に腰をおろした状態 ⑥浴槽に腰をおろした状態 →
⑦浴槽の縁を持って脚を突っ張り座位保持する ⑦浴槽の縁を持って脚を突っ張り座位保持する ⑦浴槽の縁を持って脚を突っ張り座位保持する → ⑧健側の足を引き手すりを持つ ⑧健側の足を引き手すりを持つ ⑧健側の足を引き手すりを持つ → ⑨健側の足を軸に立ち上がりながらぐるりと体の向きを変える ⑨健側の足を軸に立ち上がりながらぐるりと体の向きを変える ⑨健側の足を軸に立ち上がりながらぐるりと体の向きを変える →
⑩入浴台に腰をおろす ⑩入浴台に腰をおろす ⑩入浴台に腰をおろす → ⑪患側の足を抱えて浴槽から出す ⑪患側の足を抱えて浴槽から出す ⑪患側の足を抱えて浴槽から出す → ⑫健側の足を浴槽から出す ⑫健側の足を浴槽から出す ⑫健側の足を浴槽から出す
◆ 『座位入浴②』のやり方は動画(wmvファイル)でもご覧になれます ◆

座位入浴の3つのポイント!

1.立ち上がりのポイント!
お湯がだいたい肩から胸の位置まである状態で、足を引いて前かがみになると浮力によりおしりが浮いて立ち上がりやすくなります。そのため手すりは十分に重心移動ができるよう身体の前方に設置します。
  • 浴室からの立ち上がり
  • 浴室からの立ち上がり
2.座位保持のポイント!
足を突っ張り浴そうの縁や手すりを持つことで浴槽内での座位保持が行えます。
また浴槽の幅が長すぎる場合は浴そう内すのこなどを利用し足が伸びきらないように台を作ってあげることで座位維持がしやすくなります。
  • 浴槽の縁を持ち座位保持をおこなう方法
  • 浴槽の足を突っ張り手すりを持ち座位保持をおこなう方法
  • 浴そう内いすを使い座位保持をおこなう方法
3.浴そう内いすを使う方法
ペースメーカー等で水位制限がある方や大腿骨の頚部骨折で深く関節を曲げることが出来ない方、また筋力がない方は浴そう内すのこを利用すると楽に浴槽から出入りができます。
但し、肩までお湯につかることができないという問題もあります。
  • 浴槽台を使う方法
※上で描かれているイラストは、お年寄りの左半身が患側(体が動きにくい側)右半身が健側(体が動きやすい側)の場合のイラストです。

■『座位入浴』はここが大事!

上記で説明した『座位入浴』は、「理論・技術・福祉用具」を本人や介護者が理解しないと出来ない入浴方法です。ですから、日頃から在宅をイメージした取組みがあってはじめて行え、その結果として本人が自信を取り戻すきっかけとなります。
排泄や入浴については、他人の手を借りずに済ませたいと思うのは誰しも共通の願いであり最も守らなければならないプライバシーです。 今回取材させていただいた「ひうな荘」では、できる限り自分の力で尊厳をもって生活できるようなケア体制をこころ掛けているというお話でした。
入浴では介護者の負担の軽減を重要視するあまり、結果として本人の自立や残存機能の活用を二の次と考える施設があるなか、介護を受ける人の立場に立って、ケアに取り組んでおられるのを見聞きしホッと胸を撫でおろす思いがしました。

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