7.フィンランドと日本 福祉用具の使われ方の違い

■入浴スタイルの違い

フィンランドと日本では、入浴スタイルが大きく異なります。浴そうに入って入浴する日本に対し、フィンランドではシャワーとサウナを使っての入浴が一般的です。フィンランド人にとってサウナは日本人にとっての風呂に相当し、1日の疲れを癒したり、家族とのふれあいの場となっています。そのため家庭にバスタブが無い場合が多く、ホテルにいたっても地域によっては無い所が多いようです。
また、両国の浴室構造も異なり、段差が多い日本の浴室に対しフィンランドの浴室(サウナ・シャワールーム)には段差があまり見られません。
  • フィンランドの浴室事情

    シャワールーム シャワールーム(※1) サウナ サウナ(※2)
  • 日本の浴室事情

    日本の浴室 段差が多い 日本の浴室、段差が多い 日本の浴室 様々な福祉用具で段差解消 段差解消の為に福祉用具が必要
【写真提供】
(※1)(※2) Morton World

■介護施設での福祉用具の違い

サウナとシャワーを使っての入浴が一般的なフィンランド、浴そうの中でお湯につかって入浴する日本。このように両国の入浴スタイルは大きく異なっています。この入浴スタイルの違いは介護施設においても同様で、そこで使用される福祉用具にも大きな違いが見られます。

【フィンランドの場合】

フィンランドでは、日本の入浴のように湯船に入る習慣がなく、シャワールームやサウナにも段差が無いことから、段差解消用の福祉用具が見受けられません。そのかわりシャワーを浴びる際、比較的シンプルな構造の「シャワーキャリー」や「シャワーいす」などを補助用具として使用します。
また、シャワールームとトイレがワンルームになっている場合が多く、便座移乗へのサポートには「座面が木製のアルミフレーム移乗台」や「跳ね上げ手すり」が使われています。

フィンランドの福祉用具

  • フィンランドの施設浴室 シャワーチェアーの活用 「肘掛けの跳ね上げ機能」や「フットレスト(足乗せ)機能」が見られないシンプルな構造のシャワーキャリー。
  • シャワールーム 座面が「硬質樹脂」で出来ているシャワーいす。「高さ調節機能」がない。
  • トイレとシャワーがワンルームの構造 シャワーとトイレがワンルームの構造。
    移乗台の座面は木製でフレームにはアルミを使用し重厚で頑丈なつくり。
  • トイレとシャワーがワンルームの構造 便座の両脇には立ち座りの為の跳ね上げ手すりを設置。シャワーの際には壁に取り付けられた折りたたみシャワーいすを使用。

【日本の場合】

一方日本では、その入浴スタイルから浴槽への”またぎ動作”や”移乗動作”を行います。そのため多くの介護施設では、それら”動作”を補助するための福祉用具を使い入浴をサポートしています。

日本の福祉用具

  • フィンランドの施設浴室 シャワーチェアーの活用 浴槽へ”移乗”しやすいようにシャワーキャリーの高さを浴槽と同じ高さに「調節」している。また、シャワーキャリーの肘掛けが跳ね上げ式なので移乗の妨げにならない。
  • 日本の施設浴室 移乗台で浴そうの出入りをサポート ”移乗”が行いやすい様に浴槽と同じ高さに「調節」された移乗台。座った状態から浴槽へ入ることができる。移乗台の座面には肌触りがやさしいソフトマットを使用。
  • 日本の施設浴室 段差解消用の浴そう内すのこ 浴槽への”またぎ動作”の負担を軽減するために浴そう内すのこを設置。”段差”を小さくすることで出入りを安定させる。
  • 日本の施設浴室 スロープで段差解消 中型浴槽の出入り部にある”段差”を解消する為に、手すり付きのステップ台と浴そう内すのこを設置。

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